Synology DiskStation DS218jで、家庭用NASを構築しました。
NASとは
NAS(Network Attached Storage)とは、ネットワークに直接接続するタイプのファイルサーバーのことです。*1
WindowsやMacなどの汎用コンピューターにもファイルサーバー機能はありますが、NASはファイルサーバーとしての機能に特化しているのが特徴です。
NASを構築した理由
僕は普段、GoogleドライブやOneDriveなどのクラウドストレージでファイルを管理しています。
容量的にはOneDriveの1TB(Office 365特典)で充分なのですが、OneDriveを含む多くのクラウドストレージは「サービス提供者がファイルの二次利用を可能とする規約」を定めており、ファイルの検閲を行なっています。*2
検閲がなく、外出先からでも自宅のファイルが自由に見れる環境がほしかったので、NASを構築することにしました。
NASの選定
NASには、最初からHDDやSSDが内蔵されている完成品タイプと、自分で用意して組み立てるキットタイプがあります。*3
今回は、NASキットの中でも評判が高いSynologyのDiskStationシリーズから、DiskStation DS218jを選びました。
【NASキット】Synology DiskStation DS218j [デュアルコアCPU搭載多機能パーソナルクラウド 2ベイNASキット] CS7088
- 出版社/メーカー: Synology
- 発売日: 2017/10/27
- メディア: Personal Computers
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Synologyは企業向けから家庭向けまで様々な製品を販売していますが、こちらは家庭向けのエントリーモデルです。
HDDの選定
HDDは、NAS用HDDの中でも評判が高いWestern DigitalのWD Red(1TB)を2個購入しました。
WD HDD 内蔵ハードディスク 3.5インチ 1TB WD Red NAS用 WD10EFRX 5400rpm 3年保証
- 出版社/メーカー: Western Digital
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RAID構成にする場合、同時に故障する可能性を低くするためにも同一ロット製品を避けたほうがいいらしいのですが、僕は愚かにも同じストアでまとめ買いしてしまいました。*4
NASの構築
DiskstationでNASを構築するためには、以下の作業をするだけです。
- 本体にHDDを取り付ける
- LANケーブルをルーターにつなぐ
- 管理画面から初期設定をする
取り付け作業自体も簡単で、手先が不器用な僕でもできました。
DSMを使う
DiskStationは、DSM(DiskStation Manager)というLinuxベースのOSを搭載しており、ブラウザ上でGUI操作が行なえます。*5
これがまた非常にリッチなUIで、WindowsやMacとほぼ同じ感覚で使えます。
スマートフォンからもDSM mobileというモバイル版が利用できますが、機能が制限されており、パッケージのインストールなどの操作は行なえません。*6
パッケージのインストール
DiskStationでは、パッケージをインストールすることで様々な機能を追加することができます。*7
画像や動画を管理するためのパッケージはもちろん、Apache、Tomcat、Node.jsなどのパッケージも存在するので、ウェブサーバーやアプリケーションサーバーとして使うこともできます。
最初は必要最小限ということで、以下のパッケージをインストールしました(いくつかは標準インストールされています)。
- Antivirus Essential
- Download Station
- File Station
- Note Station
- Photo Station
- Universal Search
- Video Station
- メディア サーバー
- ログ センター
パッケージ名がそのまま機能を表しているので、分かりやすいですね。
セキュリティの強化
DiskStationは初期設定だとセキュリティがわりと緩めなので、以下の対策を行ないました。
- Antivirus Essentialをインストール
- ファイアウォールを有効化
- DoS保護を有効化
- HTTPS通信を有効化
プライベート利用なのであまり意味はないかもしれませんが、外部からのアクセスが可能な以上、セキュリティは厳しくするにこしたことはないでしょう。
メディアサーバーとして使う
DiskStationはDLNA/UPnPに対応しているため、メディアサーバーとして使うことができます。*8
iPhoneはもちろん、fire TVなどのDLNA/UPnP対応デバイスで各種メディアを楽しめます。
初期設定では同一ネットワーク上のすべてのデバイスから見えてしまう状態だったので、接続デバイスを自分のデバイスのみに制限しました。
iPhoneからDiskStationにアクセス
DiskStationには、iPhone/Android/Windows Phone向けのスマートフォンアプリが多数用意されています。*9
DS file
DS fileは、DiskStation上のファイルを閲覧することができるアプリです。
もちろん、ファイルをダウンロードしてオフラインで使用することもできます。
DS photo
DS photoは、DiskStation上の画像を閲覧することができるアプリです。
僕はiCloudフォトライブラリを使用しているので不要ですが、画像や動画を自動でバックアップすることもできます。
DS video
DS videoは、DiskStation上の動画を閲覧することができるアプリです。
ファイルフォーマットによっては再生できない動画もありますが、その場合はVLCなど別のアプリで開くことができます。
DS note
DS note は、DiskStationと同期できるメモアプリです。
Markdownは使えませんが、リッチテキストによる装飾が行なえます。
Time MachineでMacをバックアップ
DiskStationは、Macのバックアップ機能であるTime Machineに対応しています。*10
バックアップ容量として500GBを割り当てていますが、ファイルをNASに移したことでMac本体のデータ容量が大幅に減ったため、バックアップファイルの容量も少なく済んでいます。
おわりに
NASというと難しいイメージでしたが、意外と簡単に構築することができました。
UIやドキュメントが日本語化されているのも、英語が苦手な僕としてはありがたいです(たまに変な訳がありますが)。
OSやアプリの完成度も高く、HDDを含めて36,958円でここまでの満足感が得られるとは驚きです。
年の終わりに、実に良い買い物をしました。
- 作者: 滝口悠生
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