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株式会社メディアドゥを退職します

2019年6月30日をもって、2016年4月に入社した株式会社メディアドゥを退職することになりました。
最終出社日は5月31日で、現在は有休消化中です。
いい機会なので、メディアドゥでやってきたことを振り返ってみます。
いわゆる退職エントリってやつです。

メディアドゥとは

株式会社メディアドゥは、主に電子書籍の取次事業を営んでいる会社です。
電子書籍の流通に必要ないくつかのシステムを自社開発しており、それらのシステムはLINEマンガTマガジンなどのサービスで使われています。
他にも様々なサービスにシステムやコンテンツを提供しているので、あなたが読んでいる電子書籍にもメディアドゥが関わっているかもしれません。

なぜメディアドゥに入ったのか

僕が初めてメディアドゥという会社を知ったのは、大学内で行なわれた合同企業説明会でのことでした。
僕が読書好きということを知っていた研究室の教授に、電子書籍の会社があることを教えていただいたのです。
ちょうど大学在学中に紙の本から電子書籍へシフトしていた僕にとって、電子書籍を扱う会社でエンジニアとして働くのは、まさに天職であると思われました。
履歴書の志望動機欄にも、次のように記述しています。

近年、「若者の読書離れ」が問題視されています。 実際、私が千葉工業大学の学生を対象にアンケート調査を行なった結果、日常的に読書をするという学生は約半数でした。原因としては、スマートフォンの普及が考えられます。今までならば本を読んでいたであろう時間に、ゲームやSNSに興じているのでしょう。 一方、スマートフォンの普及によって、電子書籍の利用も増えてきました。電子書籍であれば、いつでも好きな本を読むことができますし、紙の本と違って物理的なスペースを必要としません。これは、私のように部屋を本で埋めつくす人にとって大きな利点です。人々にもっと本を読んでもらうために、電子書籍は最適な存在です。ゆえに、電子書籍に必要なすべてのシステム開発を一貫して行っている貴社を、強く志望いたします。

メディアドゥでやってきたこと

2016年4月に入社して以来約3年間、様々なことをやってきました。
その中から、特筆すべきものを公開できる範囲で挙げていきます。

md-fp

メディアドゥはいくつかのシステムを抱えていますが、企業説明会などの公の場では、コンテンツの配信を担う「md-dc」と、電子書店のサイトを構築するための「MDCMS」という2つのシステムの名前が挙げられることが多いです。

同社の電子書籍事業を支えているのは、「md-dc」と「MDCMS」という2つのシステムである。md-dcはコンテンツ配信システムであり、複数のサイトへのコンテンツ配信を行い、1カ月当たり2億を超えるダウンロードリクエストを処理する(2016年9月時点)。高い信頼性を備え、99.999%の稼働率を誇るが、サービス開始以来、実際に停止したのは計画停止時だけだという。一方、MDCMSは電子書籍ストアをスピーディに構築するためのシステムであり、読者管理からアクセス分析、売上管理/集計、サイト管理、課金/決済などの機能を備える。

出典:「月間60億ダウンロード」を処理可能な電子書籍配信システム──メディアドゥがOracle Exadataで構築:X2からX5への移行でさらにパフォーマンスが向上(1/4 ページ) - @IT

僕が担当していたのは、そのどちらでもない「md-fp」というシステムでした。
md-fpの名前が表に出ることはあまりありませんが、2012年の記事にひっそりと登場しています。

「TSUTAYA.com様や紀伊國屋書店様の基幹システムとCASシステムとの直接接続する仕組みがなく、そのままではつながらなかったんです。とはいえ、TSUTAYA.com様や紀伊國屋書店様側のシステムを変更するのも難しいという事情がありました」(森氏)。だが、昨今の爆発的なスマートフォンの普及とそれにともなう電子出版の伸びは無視できないところに来ていた。「両社とのビジネスを推進するためには、1ヶ月の遅れが致命的になると思いました」(森氏)とのことで、両社の独自仕様をCASシステムで利用できるようにするアダプターシステムを開発することにした。このmd-dcのサブシステム「md-fp」で採用されたのが、EMCのストレージ「VNX」である。

出典:ASCII.jp:メディアドゥが語るユニファイド・ストレージVNXのメリット

ざっくり言ってしまえば、メディアドゥの基幹システムと電子書店の基幹システムとの間に介在し、両者がやりとりをしやすいようにするのがmd-fpの主な役割です。
僕はこのチームにおいて既存のプログラムを改修したり、新たなプログラムをつくったりしました。
プログラムの大半はJavaで書かれており、幸いなことに当時の最新バージョンであるJava 8が使われていました。
僕はそれまでJava 7以前の知識しかなく、ここで初めて関数型インターフェースやStream、Optionalの存在を知りました。

md-ua

入社3年目となる2018年の10月頃、「md-ua」という電子図書館関係のシステムの開発チームにアサインされました。
もともと所属していたmd-fpチームを離れるわけではなく、2つのチームをかけもちするような形です。
そこでは、オンプレミス環境で動いているJava製のプログラムをGoでつくり直してAWSに移行するという、わりと大きめのプロジェクトの真っ只中でした。
AWSやGoという未知の領域に足を踏み入れるのは、分からないこともありましたが楽しい経験でした。

技術ブログ

僕がmd-uaチームにアサインされた頃、エンジニア界隈におけるメディアドゥの知名度向上のため、技術広報関連のプロジェクトがいくつか立ち上がりました。
その一環として、2018年12月26日にMedia Do Tech Do Blogという技術ブログが始まりました。

僕は技術ブログチームの一員として、その立ち上げと運営に携わりました。
このブログと同じくはてなブログを利用していてノウハウがあったので、それなりに力になれたのではないかと思います。
執筆者としては、Tech Doという技術イベントのレポートを書きました。

心残りがあるとすれば、1つは技術的な記事も書きたかったですね。

技術書典

これまた技術広報活動の一環として、技術書典6で『Tech Do Book #1』という技術書を頒布することになりました。
そこで僕は、『Go+Echoでウェブページをフェッチするツールを作る』という記事を寄稿しました。

こちらは、BOOTHでダウンロード版を無料配布中です。

普段はブログやQiitaなどの電子媒体にアウトプットすることが多いので、紙媒体へのアウトプットは貴重な経験でした。

おわりに

退職エントリにはほしい物リストを貼るのが古来よりの習わしらしいので、僕もそれにならって貼っておきます。