ムニエルブログ

ムニエルのブログ

2021年面白かったエンタメ作品7選

2021年に僕が体験したエンタメ作品(本、映画、ゲームなど)の中から、特に面白かったものをご紹介します。
僕が2021年に体験しただけであって、昔の作品も含まれます。

たとえとどかぬ糸だとしても

ごくごく平凡な高校生、鳴瀬ウタには、人には言えない秘密があった。それは、実の兄のお嫁さんである薫瑠に恋をしていること。決して実らない恋だけど、日々の営みが嬉しくて、その一方で兄との新婚生活を見ていると胸が張り裂けそうで…。彼女は心を押し殺す。そっと心に秘めた恋心が、目を覚まさないように――。

実の兄の結婚相手にして、幼い頃から姉のように慕ってきた女性に恋をしてしまった少女の物語。
この作品では様々な恋の形が描かれているのですが、中でも「好きな人に必要とされるってただ恋人という肩書きを手に入れるよりずっと嬉しいことかもしれませんね」というセリフが、特に胸に刺さりました。
読み進めるたびに訪れる衝撃の展開に心が揺さぶられますが、最後まで見届けてきてよかったと、今では思います。

翔んで埼玉

翔んで埼玉

翔んで埼玉

  • 二階堂ふみ
Amazon

娘の結納のため一路東京へと向う、埼玉在住の菅原家。その道中車内のラジオで、ある伝説の物語が流れ始めた。それは、東京屈指の名門校・白鵬堂学院を舞台に、生徒会長・壇ノ浦百美(二階堂ふみ)と、アメリカ帰りの転校生・麻実麗(GACKT)の出会いから語られる--。見るからに東京都民の麗は、実は手形制度の撤廃を求める“埼玉解放戦線”のメンバーだった。埼玉県人を庇い立てする麗を怪訝に思っていた百美だが、何故か麗に心を惹かれていき、次第に東京と埼玉、そして千葉までも巻き込んだ抗争に巻き込まれていく--。

埼玉県をディスりにディスる内容で話題となった漫画『翔んで埼玉』を原作とする映画。
原作の内容をそのまま映画化するのは無理があろうと思われましたが、原作のストーリーを作中のラジオドラマとして描き、それを車内で聴いている家族を縦軸にするという構成が見事でした。
原作よりも埼玉要素マシマシ(ついでに関東の他の県の要素もマシマシ)で、僕自身埼玉県出身なこともありとても面白かったです。
2022年には続編の公開も予定されているとのことで、どんな内容になるのか楽しみです。

レディ・プレイヤー1

いまから27年後の世界。人類はゴーグル1つですべての夢が実現するVRワールド[オアシス]に生きていた。そこは、誰もがなりたいものになれる場所。無敵のヒーローやハーレークイン、キティだってなれる夢の世界!ある日、オアシスの天才創設者からの遺言が発表される―「全世界に告ぐ。オアシスに眠る3つの謎を解いた者に全財産56兆円と、この世界のすべてを授けよう」と。突然の宣告に誰もが沸き立ち、56兆円をめぐって、子供から巨大企業まで全世界の壮大な争奪戦が始まった!果たして想像を超えた戦いの先に、勝利を手にするのは一体誰だ!

2045年を舞台に、VR世界「オアシス」に隠された謎と56兆円をめぐる世界規模の争奪戦を描いた作品。
主人公が仲間とともに敵に立ち向かっていく王道的なストーリーでありながらも、VR世界と現実世界の両方で物語が展開されていくのが見どころです。
1980年台から1990年台のアメリカや日本のエンタメ作品のパロディが満載なのも、それらの作品に思い入れのある人にとってはたまらないでしょう。
近い未来に訪れるであろうメタバースの世界を、一足先に体験できるような映画でした。

Undertale

世界中で空前の大ヒットを記録したインディーゲーム、『UNDERTALE』が、ついに日本にやってきた!ヘンテコで愉快なキャラクターが次々と登場する、とびっきり楽しいRPGの世界を冒険しよう。敵を倒すも見逃すも、すべてはキミ次第。モンスターたちが暮らす地底の世界に落ちてしまったニンゲンの子は、地上へ帰れる…?それとも、永遠に閉じ込められてしまう…?

「誰も死ななくていいやさしいRPG」というキャッチコピーのとおり、モンスターを倒すも見逃すもプレイヤーの選択次第という、一風変わったRPGです。
戦闘システムもよくあるコマンド形式ではなく、自機を操作して敵の攻撃を避けたり、ときには敵を攻撃したりと、弾幕シューティング然としています。
ボス戦で何度もゲームオーバーになりながら徐々にコツを掴んでいき、ようやく倒せたときの達成感はひとしおでした。
RPGが好きな人なら、一度はプレイしてほしいゲームです。

河童のクゥと夏休み

家族の絆、友情、自然…“いま大切なこと”を情感豊かに描き出す、感動の“泣ける大人アニメ”!!---夏休み前のある日、小学生の上原康一は帰り道で大きな石を拾う。持ち帰って水で洗うと、中から河童の子供が現れた。康一はこの子に「クゥ」と名づけ、共に暮らすことに。一緒にお風呂に入り、食卓を囲み、同じベッドで眠る二人。最初は驚いた上原家の面々も、クゥを受け入れてゆく。そんなある日、クゥが仲間のところに帰ると言い出した。康一は河童伝説の残る、豊かな自然に囲まれた遠野へクゥを連れて初めてのひとり旅をすることに……。

数百年の時を経て現代に蘇った河童の少年・クゥとの出会いと別れを描いた作品。
この手の作品では人外キャラクターの存在があっさり受け入れられがちですが、この作品ではクゥが家族に受けいれられるまでの過程がしっかりと描かれています。
河童という非現実的な要素がありつつも、この作品で描かれているテーマは実に現実的で、我々の住むこの社会と地続きなものであると感じました。

マイホームヒーロー

頼れる妻と、ちょっと反抗期気味だけど可愛い高校生の娘。鳥栖哲雄の人生はそれなりに幸せだった。娘の顔に殴打の傷を見つけるまでは。「100万の命の上に俺は立っている」の山川直輝、「サイコメトラー」「でぶせん」の朝基まさしの異色コンビが描く、罪と罰、愛と戦いの物語、開幕!

娘の彼氏を殺してしまった父親が、妻とともに証拠隠滅を図る物語。
男が所属していた半グレ組織から疑いの目を向けられつつも、推理小説好きならではの発想で数々のピンチを乗り越えていく様が面白い。
第一部だけでも物語としては成立していますが、第二部ではそれまで詳細に語られなかった夫婦の過去について掘り下げられ、より深みが増していきます。
2022年には最終章となる第三部が始まるとのことで、これからどのような物語が展開されていくのか楽しみです。

アイの歌声を聴かせて

景部高等学校に転入してきた謎の美少女、シオン(cv土屋太鳳)は抜群の運動神経と天真爛漫な性格で学校の人気者になるが…実は試験中の【AI】だった! シオンはクラスでいつもひとりぼっちのサトミ(cv福原遥)の前で突然歌い出し、思いもよらない方法でサトミの“幸せ”を叶えようとする。 彼女がAIであることを知ってしまったサトミと、幼馴染で機械マニアのトウマ(cv工藤阿須加)、人気NO.1イケメンのゴッちゃん(cv興津和幸)、気の強いアヤ(cv小松未可子)、柔道部員のサンダー(cv日野聡)たちは、シオンに振り回されながらも、ひたむきな姿とその歌声に心動かされていく。 しかしシオンがサトミのためにとったある行動をきっかけに、大騒動に巻き込まれてしまう――。 ちょっぴりポンコツなAIとクラスメイトが織りなす、ハートフルエンターテイメント!

『イヴの時間』や『サカサマのパテマ』の吉浦康裕監督による、AI×ミュージカルがテーマの青春群像劇。
シオンの歌を中心にいくつもの展開があり、エンドロールが流れる頃にはテレビアニメを1クール分見終えたぐらいの感覚になりました。
キャスト陣の演技はどれも素晴らしいものでしたが、特にシオン役の土屋太鳳さんの歌唱力には目を見張るものがあります。
『イヴの時間』も同じくAI(ロボット)がテーマでしたが、あれから13年の時が経ち、AI技術が進歩した今だからこそ描ける映画に仕上がっています。
現時点で5回鑑賞しており、僕の中では『天気の子』以来のヒット作となりました。